初めての冬の「札幌」の周り方
ほぼ初めての北海道に行ってきました。
飛行機が高度を下げ始めると、眼下には白い大地が広がっている。雪を被ったいくつもの山々が連なり、青い空を背景にしてまるで壁のようにそびえ立っていた。
羽田空港から1時間30分で到着する新千歳空港はキラキラと陽の光を受けて、眩しいほどだった。
12月になっても夏日があった暖冬の今年ではあるが、北海道にはしっかりと冬が到着していた。
札幌へ電車で向かう
新千歳空港から札幌へは電車「快速エアポート」で40分ほどで行くことが出来る。
自由席で1070円。指定席「uシート」だと520円の追加料金です。通勤路線なので平日朝夕は指定席がおすすめです。
予定では直接ホテル前に到着する高速バスを利用するつもりだったが、事故で高速道路が閉鎖されたため運休だった。吹雪や雪によるスリップ事故での通行止めはけっこう頻繁に起こるらしく、冬の高速バスでの移動は注意が必要そうである。
電車は郊外の風景を走りながら札幌へと向かう。「快速」と言えど途中に何駅か停まる上、平日正午過ぎの車内はのんびりとしていた。車窓から見える住宅は一軒一軒が離れて建っていて、まるで別荘地を思わせるような雰囲気もあった。
建物が密集し、豊平川の鉄橋を渡ったらもう札幌駅だ。
北海道の中心駅であり、南口では北海道一のノッポビル「JRタワー」がそびえる。
利用者数では一日10万人足らずと首都圏では近郊主要駅ほどではあるが、言わずもがな札幌観光の起点でありここから札幌巡りを始めることにする。
札幌観光で知っておくこと
札幌は計画都市である。
碁盤の目のような街区で、それの基準を知っておくと理解しやすいと思った。
中心点は「テレビ塔」で、ここから東西南北に住所が決められている。
横の基準線となるのは「大通公園」でそこを軸に「北◯条」、「南◯条」となっていき、離れるほど数が増えていく。
一方、縦の基準は「創成川」だ。
札幌の中心部を真っ直ぐに流れる人工的な河川であり、ここを境に東側が「東◯丁目」となり、西側が「西◯丁目」となっている。
そもそも札幌の碁盤状の街区は京都を参考に造られた。この創成川は「鴨々川」とも呼ばれているが、その呼び名にも京都の影響があるのかもしれない。
また碁盤の目状の街区には迷いやすいという特徴がある。京都もそうであるが、慣れてしまうと理解りやすい規則的な街区であるがもどこも同じように見えてしまい最初の内は自分がどこにいるのか分からなくなってしまい、意外に迷いやすいのだ。この法則を最初に覚えておくのが大切なのである。
全体的な場所の把握は、やはり札幌駅を中心に考えるとわかり易いと思う。
駅とJRの線路を南北の間と考えて、それぞれ南側と北側に何があるかを知っておくと便利なのである。
例えば札幌の歓楽街である「すすきの」は街の南側。「住所」から「住所」への一帯に広がっていて、北海道一の賑わいを見せているのである。
歓楽街「すすきの」から北方面へ進むにつれて繁華街、商業地へと街の雰囲気は変わっていき「札幌駅」に至るのである。
札幌の象徴的な風景である「大通公園」と「テレビ塔」の周辺エリアは官公庁・ビジネス街エリアであり「時計台」もやはりここである。
一方「北海道大学」は街の北側だ。
札幌農学校を発祥とするこのキャンパスはまるで農場を思わせる広大なものであり、ポプラ並木に銀杏並木と北海道を思わせる風景が広がっている。
街なかにあるにもかかわらず欧米のような雰囲気がある場所で、歴史を積み重ねた建物がいくつもありこの空気感を感じるだけでも行ってみる価値があると思った。
それこそインスタ映えする場所が数多くあるので、カメラ片手に訪れてみても楽しい。
キャンパス内にはしっかりとしたレストランもあり、雪に包まれたエルムの森を眺めながら食事をするのも良いだろう。
札幌観光の際にはぜひ訪れたい場所である。
ただ北大のキャンパスはとてつもなく広い(日本で最大規模のキャンパス面積)ので、かなり歩くことの覚悟は必要です。タクシーで行く場合、観光目的だと正門までしか行ってもらえないが、学部に用事があるとすれば中まで行ってもらえることがあるそうです。
冬の北海道の服装と足元
さて、今回行ったのは12月と冬の時期であった。
(温度グラフ)
気温は氷点下が基本であるし、街には雪が積もっていた。東京での感覚で言えば、大雪の日が毎日続いているようなイメージだ。
雪には十分注意が必要である。
街全体に雪が降り積もっているので滑らないように気をつけて歩くことが必要だし、道の端っこだとけっこう雪深い。履いていく靴に関しては滑らないブーツや防水機能が強いスノーシューズが絶対に良いと思う。
またこれは小樽でのことであるが、つい先程までは青空で太陽が見えたにもかかわらず、その数分後には強い雪が降り始めすぐに吹雪のようになり前方も見えないようなまるでゲリラ豪雪のことがあった。
やはり外に着るコートに関しては雪に濡れても良いような防水の方が良いし、フードがあると頭に雪が降り積もるということが無いだろう。また折りたたみ傘があった方が良いし、手袋も防水が良いと思った。
冬の札幌散歩の服装
・コート(防水、厚手、首元) ・内側:普通 ・予備でウルトラライトダウン ・歩きやすいブーツ/スノーシューズ ・防水/スマフォ対応手袋
一方で、防寒対策ため厚手のコートにウルトラライトダウンにヒートテックと寒さに負けないような服装で行ったのだが、個人的な感想としてはそこまで体感的な寒さは感じなかった。
僕自身寒さには強いというのもあるが、建物や電車の中はかなり強く暖房が効いてるし、札幌は地下街で広範囲に移動出来る。雪の中を歩くと体力を使うのか少し歩くだけで身体が暖かく感じられた。
少なくとも札幌においてはコートの中身はそこまで厚くする必要がなく、東京での服装と同じくらいで十分だと思った。
夜のススキノと札幌ラーメン
札幌は北海道一の大都市であって、大きな商業地である。
パルコや三越といった百貨店もある商業エリアは大通公園の少し南側。お洒落なショップや高級ブランドなども立ち並んでいる場所であり、買い物などを楽しめる場所だ。
そしてその南側。大通公園と並行してつづいているのが「狸小路商店街」である。
こちらはより繁華街要素の強い商店街であり、飲食店をはじめ様々なお店が並んで賑わっている。
そしてそのさらに南にあるのが「ススキノ」である。
この北から南に行くにつれて徐々に猥雑さが増してくるのが、いかにも計画都市ならではという様相であるが、メインストリートである「札幌駅前通」を歩いているとエリアごとに街の雰囲気が変わるのが楽しい。
アメリカの街などはブロックごとに街の特性が違い、一本通りが違うと治安の注意度も異なると言われるがまさにその雰囲気を味わえるのが札幌の碁盤の区画なのである。
表通りを歩いていると急に歓楽街エリアへと突入してい驚いたが、それは碁盤の街区画ならではである。「ススキノ」は歓楽街としても治安が良いとされいるが、それは表通りに面しているからゆえだからなのかもしれない。
驚いたのが表通りに面してガラス張りのバニースタイルのガールズバーがあり、普通に通りを歩いていても丸出しバニーちゃんを眺めることが出来ることであった。猥褻さというよりも昔のキャバレーを彷彿とさせる華やかさで、氷点下の街を歩いているとその暖かそうな店内へと誘われてしまいそうな雰囲気があった。
もし興味があるようならばぜひ行ってみると良いだろう。
まずかった「札幌ラーメン横丁」
札幌と言えば「札幌ラーメン」であるが、今回の旅では失敗してしまった。
当初の予定ではススキノにある味噌ラーメンの有名店「すみれ すすきの店」に行こうとしてたが、お昼の時間はまだ営業前。
代わりに、近くにあるラーメン店が並ぶ「ラーメン横丁」を訪れフィーリングに任せてある店に入ったのであるが、正直あまり美味しいとは思わなかった。
芸能人のサインも数多くあったし、いかにも老舗という雰囲気もあり相当の期待もしていた。元祖という触れ込みはあったが、良くも悪くもイトーヨーカ堂のフードコートでも食べられそうな味だった。ススキノで呑んだ後の一杯としては最適だったかもしれないが、旅の一杯としては失敗してしまったという感想のほうが強かった。
やはり旅行での食事は大切である。しっかりとリサーチをすべきであった。
ラーメン横丁で行くならば
同じラーメン横丁でも「白樺荘」や「弟子屈」や「麺屋 國光」は評判が良いそうです。「ひぐま」はお土産でよく見かけます。もちろん「すみれ」や近くにある「信玄」も良さげです。
あとでタクシーの運転手さんに聞いたが、地元の人はあまりラーメン横丁へは行かないらしい。昭和の猥雑とした雰囲気のある路地裏なので、観光旅行で行きたくなる感じもするがSNS映えと味は別物なのである。
札幌を周るための交通手段
札幌の街なかを巡る場合、思った以上に徒歩で色んなところに行ける。
特に札幌駅を中心として、主要な場所や観光施設は半径1km以内に収まるような感じで、街なかを歩いて巡ってもそんなに遠くなかった。
冬の場合だと道路に降り積もっている雪の方が大変であったが、地下街は発達しているし「狸小路商店街」は900mものアーケードが掛かっている。
一方、公共交通機関として「地下鉄」と「市電」が走っています。
札幌の公共交通機関
中心部から離れた場所である夜景で有名な「藻岩山」へは市電で行けるし、「円山動物園」や「札幌市場」などへと向かう場合には地下鉄「東西線」で行ける。
さらに遠い場所にある札幌五輪のジャンプ台がある「大倉山」や、クラーク博士像がある「さっぽろ羊ケ丘展望台」へはそれぞれの最寄り駅まで地下鉄で行き、そこからバスなどを使うと良いだろう。
地下鉄とバスを乗り継ぐ場合、乗継料金があります。交通系ICカードで支払うと自動的に適用されるので便利です→http://www.city.sapporo.jp/st/josyaken/ryokin/ryoukin.html#densyanoritsugi
1日乗り放題パスもそれぞれある。
平日と土・日・祝日等で使えるものが異なるのが注意が必要です。
個人的には、遠い場所を巡る場合には地下鉄乗り放題パスを使う。一方で、札幌駅周辺やススキノなど中心を周るならば徒歩を基本にしその都度公共交通機関を使うとお得な周り方が出来ると思う。
今回泊まったホテル
地下鉄駅にも市電の駅にも近くて便利な「札幌プリンスホテル」に泊まった。
交通の便が良い上に大通公園やススキノへも徒歩圏内である。狸小路商店街のアーケードが付近までつづいている一方、周辺は官公庁街なので雰囲気は落ち着いている。
新千歳空港からは高速バスが直通だし、札幌駅からは無料送迎バスもある。安心安定のプリンスホテルなので初めての札幌でも間違いない。
やはり札幌(北海道)は素敵な街で何度も訪れたいと思ったので、泊まりやすいホテルや行きたい場所をリサーチし続けたいと思った。